いよいよ、小学校の足音がしてきた。
就学前検診の案内が送られてきた。
あたりまえだけど、兄弟のいないコータローは小学校には行ったことがない(選挙の時にちょっと覗いた程度)。
普段森の中でカリキュラムもない環境で、自由に遊びまわっているコータローにとっては、学校はとても大きく彼を圧倒し、言葉を奪うには十分だったようだ。
幼稚園を早退し、学校に着く。
コータローの幼稚園から同じ小学校に行くのは全員で4人。
近くの幼稚園からはバスで幼稚園から直行で数十人で来ているから、圧倒もされている。
順番がくるまで並んでいるとき、つないだ手が少し冷たく、緊張が伝わってくる。
楽しみだけど不安な小学校…のようだ。
いよいよ名前を呼ばれて6年生のお兄ちゃんに手を引かれて、階段を上っていく。
「じゃ、お母さんはここまでだから。」とお兄ちゃんに言われ、私はバイバーイ!と手を振った。
少し不安そうに軽くバイバイをして、お兄ちゃんに手を引かれていった。
視覚と聴覚の検診に行った。
大きくなったなぁ。あたりまえだけど幼稚園に入園するときとは全然違う。
離れられなかったもんな。
さすが!
・・・と思っているとお兄ちゃんと帰ってきたコータロー。
!!!
見ると眼の端に涙がキラリ
「もしかして、泣いた!?」私が聞くと
「はい。お母さんとはなれるのがさびしかったみたいで…」
とお兄ちゃん。
あらら
と思いながらも、思わず私の口から出た言葉は
「かわいぃ~
」
よーくわかってます。
ダメ母道直行です。
でも、年長さんになって毎週のように先生からご注意を受け、
(よく言うと)ノビノビしまくって、最近ではエラそうなことをいうコータローに
そういう一面がまだあったことがかわいくてかわいくてたまらなかったのだ!!
内科検診の時は、私と一緒で次は面接。
またもやお兄ちゃんに手を引かれて行くとき、
私の方を見ないで天井を見ながら、背中を向けて手だけ振るコータロー。
涙がこぼれないように、必死で。
くぅ~たまらんっ!!
帰ってきたコータローは解放感からか、満面の笑顔で帰ってきた。
「『好きな食べ物は!?』って聞かれたから、『きゅうり』って言ったよ!!」
ねぇねぇそういう時は、お料理の名前を答えてほしいなぁ…素材じゃなくて。
“ママの手作りの餃子!”とか“きのう食べたママが作ってくれた美味し~いラザニア”とか…
と思わなくもないが、ま、いいか。
毎日、幼稚園や友達の家でノビノビいたずらしまくっているコータローは、安心できる場所を見つけ、その中でノビノビしていたんだなぁと再実感。
転勤族の子供だから、これからも彼の不器用さは何度か壁にぶつかりながら、そして強くなっていくんだろうなぁ。
きっと私から離れるのがさびしくて涙を流すなんて、もうそうそうないかもしれない。
“もう、なさけないっ!
”とか
“しっかりしなさいよっ!
”とかじゃなく、
今はこの時間をただただ幸せにおもってたいなぁと思った。
ダメ男になるかな。
「学校どうやった?」と翌日パパに聞かれたコータローは、
頭の上で大きなまるを作って
「すっごく大きかった!
」と言っていた。
うんうん。そうだよな。とてつもなく大きく見えたんだよな。
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